ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 子宮内膜症とは、機能性の子宮内膜組織が子宮膣外の一般的には卵巣、子宮広間膜、ダクラス窩、子宮仙骨靱帯に発生する悪性ではない疾患なのです。この組織は女性の月経の周期と連動して腫れて出血します。 子宮内膜症は痛みや吐き気、むかつき、生理時の過剰出血、性交時痛を引き起こし時に不妊の原因にもなるようです。子宮内膜症に罹る程度については、専門家の間では月経活動中の女性の2から5%と言われています。年齢的には25歳から40歳の間に見られるようです。
 この章で私の申し上げる範囲では、現代医も自然療法医にも子宮内膜症の治療では必ず良い治療結果が得られるという訳にも行かないようです。 主流を占める現代医はよく合成エストロゲンを処方しますが、これは通常受胎調整用のピルです。自然療法医はエストロゲンと同類の天然の植物性ホルモン(フィトエストロゲン)を好んで使うようです。フィトエストロゲンは体内に存在するエストロゲンよりは働きは小さいようです。それは体内のエストロゲン受容体をブロックする作用をするので、女性自身のホルモンの活動を低減させるのです。
 子宮内膜症を引き起こす原因については多くの理論があるようです。ある情報によると、この病気はある害虫駆除剤や殺虫剤のようなエストロゲンに似た化学構造の環境汚染物質が体内免疫システムのダメージとリンク(関連)しているというのです。他の免疫抑制薬や毒素なども同様に疑わしいかも知れません。また別の専門家はタンポン、IUDや避妊キャップなどを使うことで子宮内膜症のリスクが高くなると推測しているようです。しかし確証のある原因は誰も分からないのが現状です。
子宮内膜症のための「緑の薬局」

 子宮内膜症と闘っている方、さまざまな権威のある専門家がそれぞれ言っているようです、アルコール、カフェイン、全乳成分の製品、卵、揚げ物、赤身の肉、塩や砂糖は避けることなどなど・・・。それらの食物を変えても"治療の助けになる"と私は誓えませんが、子宮内膜症に罹っていない女性には良識のある方法と言えるでしょう。とはいえ、どんな自然のハーブによる代替療法でも子宮内膜症の治療に確実に役立つともお約束できないのですが、以下に述べた方法が治療の一助になることを信じているのです。安全で試してみる価値は十分あると信じております。
"★"の数は効果の高さの指標です。
★★★ソイビーン(Soybean/ Glycine max ダイズ)と他の豆類
 多くの自然生薬愛好の仲間達はダイズ製品を大変に愛用していて、子宮内膜症やその他の病気―エストロゲンに関連づけられている乳ガン等の治療について特別に扱っているのです。ダイズ支持者はダイズが持っている2つの成分のエストロゲン様植物成分(ゲニスタインgenisteinとダイゼインdaidzein)が高濃度含有していることを理由として主張しています。この両方の植物性エストロゲンは身体を巡る血液中のエストロゲンが有害な形へ変化したものから予防してくれるのです。つまり植物性エストロゲンは体内エストロゲンに取って代わり、細胞のエストロゲン受容体に結合し、有害性のエストロゲンが受容体に結合することを防いでくれるのです。特に、科学的にエストロゲンによく似た汚染物質からあなたの身体を守ってくれます。ダイズの支持者は大変理にかなっていたのです。
 ダイズはゲニスタインとダイゼインが豊富ですが、他の多くの豆類にもさらに植物性エストロゲンの効果を発揮するゲニスタインが豊富なものがあるんです。近い将来、科学者達がダイズのゲニスタインにはそのような効果のある大変ユニークな資源であると発表すると私は予想しているんですがね。更に豆モヤシ(beansprouts)も大いに重要視されると見ています。豆が発芽すると、ゲニスタインの量(植物性エストロゲンのトータル量)が増加するのです。そしてもし発芽胞に(産地独特の発芽する時の)菌類を持っていると、ゲニスタイン量は百倍にも増加することがあるのです。まだら豆にはダイズに含まれる量と同等のゲニスタインとダイゼインを含んでおります。
 また、別の種類の豆類にはダイズほどのダイゼインは含んでいないが、ゲニスタインの量はダイズより相当多く含んでいるというような例もあります。これらには、半割り黄レンズ豆(黄色のえんどう豆を挽き割りにして皮をむいたもの)、イナゴマメ(black turtle beans)、大正金時豆、anasazi beans(和名不詳)、赤レンズ豆などがあります。それにとてもゲニスタイン量が多いのがささげ豆(ブラック・アイ)、みどり豆、あずき、そらまめです。オランダビユを分析するとゲニスタインはダイズの50倍も含有することがわかりました。
 子宮内膜症の患者さんには出来るだけ多くの豆類をお食べになることをお勧めしたいものです。
 サラダには豆の芽ものや豆スープ、炒り豆、ブリートーなど豆を使ったメキシコ料理などをタップリ摂るとよいでしょう。わたしは豆腐も大好物なのですよ。
★★フラックス(Flax/ Linum usitatissimum アマ)
 フラックス種子には子宮ガン(おそらく乳ガンも含む)をコントロールするリグナン(lignans)と呼ばれる成分が豊富に含まれています。子宮内膜症は子宮ガンと同じではないですが、子宮内膜の組織の成長が狂うと言うことでは関係があるので子宮内膜症の治療や予防にフラックス種子を試してみる事をお勧めいたします。
 フラックス種子はベジタリアンでない人にとっては特に役立つでしょう。ベジタリアンは普通リグナンのレベルが血中や小便に高濃度で含有していますが、肉食を好む人にはリグナンの量が低く抑えられています。だから食事にはいつも肉が出る人には、体内のリグナン量を増やすためにも特別の配慮が必要なのです。パンの中には挽いたフラックス種子を使用しているものもあります。パンのラベルに注意しましょう。
 もちろん私は自分で種子を挽いてトウモロコシパンにつけるバターに加えて練りこんで使っています。あなたなりにフラックス種子を何らかの方法で日常の食事に加えて実験してはいかがでしょうか。
★★ピーナッツ( Arachis hypogaea ラッカセイ)
 わたしはこのピーナッツが大好物なのです。毎日のようにこれを口にいれてもぐもぐさせていて、健康に有益な事を示す研究のつもり食べているのです。ピーナッツが成分分析されても、大豆やその他の豆のように健康的な成分を含むのにその結果が無視される傾向にあるのです。健康にとって同じ程度に有益な食べ物を2種類の中から選べと言われたら、食べて楽しい方の食べ物を選ぶのが自然ですね。免疫学の学者だって「喜びは免疫システムにとてもよろしい」と言っているじゃありませんか。目の前に両方出されて、だれがピーナッツより大豆のほうが良いと言うでしょうか。
 小粒種のスパニッシュ・ピーナッツを食べるとさらに特別ボーナスがあります。スパニッシュ・ピーナッツの赤い薄皮はオリゴメリック・プロシアニジン(OPCs ポリフェノールの一種)という成分のオリジナルな供給源で、これはホルモン依存性のガンやおそらく子宮内膜症のコントロールに役立つことが期待できるのです。
★アルファルファ(Alfalfa/Medicago sativa ムラサキウマゴヤシ)
 アルファルファの芽には植物エストロゲンを含むのでサラダにもタップリ使って下さい。もしもこれが子宮内膜症の症状の緩和に役立たなくても、この緑野菜を食べることでガンの危険性が大いに減ることでしょう。
 もしあなたが狼瘡だったり家族に狼瘡歴があるならば、アルファルファの芽は避けて下さい。これが引き金になって狼瘡を引き起こすという症例があるのです。
★イブニング・プリムローズ(Evening primrose/Oenothera biennis メマツヨイグサ、ツキミソウ)
 私の考えではイブニングプリムローズオイル(EPO)は子宮内膜症よりも月経前症候群(PMS)の症状の治療に使いたいと思っています。(EPOやPMSは過去に掲載しております)しかし私の信頼する天然生薬のガイド本ではこの病気に、このオイルをフラックス種子やダイズとほとんど同等に取り扱っているのです。EPOにはガンマリノレン酸とトリプトファンを含有していて、この両方の物質は女性の全般的な健康の増進に役立つと言われているのです。