ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 カリフォルニアから遠く離れた所から、ある男性のせっぱ詰まった声の電話はちょっと変わっていました。私の所には健康上の理由で自然療法、特にハーブを使った療法を求めている人たちから何件も電話での問い合わせがあるのです。
しかしこの男性がどのようにして私の連絡先を見つけたのはわからずじまいでしたが、それでもひどい抜け毛でやけくそになっていた彼をいまでもよく覚えています。彼の話を聞き、後日ソーパルメロットというハーブについてファクスで彼に送ったのです。
このハーブはテストステロンという男性ホルモンをジヒドロテストステロン(DHT)という前立腺肥大症を起こす物質へ転化するのを抑制する働きがあるのです。
DHTは毛嚢を傷つけ男性脱毛症を引き起こすホルモンでもあるのです。
電話の彼にとってソーパルメロットは脱毛のスピードを遅くしてくれると思います。
脱毛は遺伝的な影響が大きいですが、必ずそうだとは断言できないのです。
しばしば、家族の男性すべてがはげ上がっても、他の家族ではしばしばほんのわずかの男性しかいないときもあるのです。しかし、アメリカ人の半数以上の男性は45歳頃から顕著な脱毛を経験するようです。
多くの女性もまた同様に脱毛を経験しますが、ほとんどがさほどシビアな状態にはならないのが普通です。
脱毛のための「緑の薬局」
ここで私が提案するハーブを使った改善のための療法はあなたの頭をふかふかした毛髪で満たす事をお約束する事は出来ませんが、それらの自然療法は試してみる価値はある、という程度しか申し上げられないのです。
★★★ ソーパルメロット(Saw palmetto/Serenoa repens ノコギリヤシ)
 私が選んでトップに残ったハーブは、しかし他の発毛促進効果のある薬剤(ミノキシジン【ロゲイン】やファイナステライド【プロスカー】)と組み合わせて使って頂きたいのです。生化学的には確かにソーパルメロットをサポートしてくれるでしょう。
DHTは毛嚢をつぶしてしまう事は前記しましたが、このハーブはDHTの形成をブロックしてしまうのです。もし、ソーパルメロットが抜け毛を予防する助けになるなら、男性のためのハーブと言えましょう、前立腺肥大も予防することがわかっているので一石二鳥だからです。
★★ リコリス(Licorice/Glycyrrhiza glabra カンゾウ)
 リコリスにはテストステロンをDHTに転化するのを抑制するある成分を含有するのです。お風呂でお気に入りのシャンプーにリコリスを加えて脱毛予防の用意をしてください。
(訳者注:一般のシャンプーの成分は合成洗剤です。頭皮にダメージを与えますから石けんシャンプーをお勧めします)
★★ ローズマリー(Rosemary/Rosmarinus officinalis マンネンロウ)
 何百年もの間(千年にはならないかも)男女両方ともオリーブオイルにローズマリーの精油を混ぜて頭皮をマッサージしてフサフサとした毛髪と健康の増進に努めていました。希望的観察はさておいても、この方法をお勧めしないでは居られません。
「頭皮のマッサージは血行を促し、発毛を助ける」とオハイオのクリーブランド・クリニック財団のウィルマ・バーグフェルド医学博士は述べています。
自然療法家は毎晩ローズマリー精油1に対してアーモンドオイル2の割合で混合したもので頭皮マッサージすることを勧めています。
★ タンジン(Danshen/Salvia miltiorrhiza レッドルーテッドセージ)とセージ(sage/Salvia officiualis ヤクヨウサルビア)
 タンジンとは実際アジアの赤セージです。民間療法ではタンジンと本来のセージの両方とも長年にわたり育毛剤として評判のものです。
この国では、人々はしばしばセージエキスをシャンプーやリンスにつかっています。
伝えられるところによるとこのハーブは脱毛とシラガの予防の能力を持つと言うことです。
使われてきたハーブは害を起こすようなことはないようなので、セージのチンキ液をティースプーン数杯をお気に入りのシャンプーに加えて試してみることをお勧めします。
★ ホーステール(Horsetail/Equisetum スギナ)
 自然療法医師によると「ミネラルのセレンとシリコンは頭皮の血行促進を助け、結果として育毛に役立ちます」とのことです。ホーステールには両方のミネラルが豊富に含有しています。
ハーブティにティースプーン一杯ほど加えますが、このハーブを使うときには専門家にチェックを受けた方がよいでしょう。
★ サフラワー(Safflower/Carthamus tinctorius ベニバナ)
 中国の漢方で、サフラワーは血管を押し広げる成分を含むので、血管拡張作用が顕著なものとして使われています。
それは頭皮の血管を拡張させる役に立つことは明らか、中国の医師は毛嚢を活性させる栄養素としてサフラワーを使っているのです。
サフラワーオイルかサフラワーの種子をテーブルスプーンに数杯すりつぶして頭皮につけてマッサージするかシャンプーにサフラワーの粉末を加えて使うのもよいです。
★ セサミ(Sesame/Sesamum iudicum ゴマ)
 「セサミの種子も中国で脱毛の治療によく使われる」と自然療法士のアルバート・レング博士は言っています。調味料として煎った種子は調理に使うことで毛髪の健康維持に役立つこと間違い無しです。
★ スティンギングネットル(Stinghrg nettle /Urtica dioica )
 「ネットルの葉のチンキは毛髪が細くなりながら薄くなるのを防いでくれる」とドイツのハーブ療法士ルドルフ・フリッツ・ワイズが彼の著書の中で述べています。
どの程度の研究事例があるのかわかりませんが、彼は私が尊敬する先生です。
おそらくネットルを推薦する理由は薬用効果のあると言われた植物を説明した古い本「症状と治療 The Doctrine of Signatures」に載っていたからだろうと思います。
ネットルは刺毛に覆われているので、前述の本で毛髪への効果を謳ったのではないかと思われますが、反面このハーブにも脱毛に関してお勧めできる証拠があるのかもしれません。
ネットルには研究者のさらなる臨床をみるために、もっと使ってみなければなりませんね。このハーブのチンキ液をを毎日ティースプーン1,2杯をお茶にいてれも害があることはないでしょう。