ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 少し前にアフリカ東南部にある島で熱帯雨林帯のマダガスカルの田舎のホテルのひとつに滞在したときにあの痒いシラミにたかられてしまいました。少なくともシラミを飼っていた状態です。65歳の私の目は体を動いていくシラミを見られるほど若くはありませんでした。多分、私の想像だったのでしょう。でもそれが想像だったとしても、身体のかゆい部分がシラミの住み着く最適の場所だったのです。滞在していたホテルは相当不潔で、虫のすみかといってもよいくらいでした。そのときにはシラミ退治に使えるハーブの知識がまったくなかったので、その土地の名医をたずねて熱帯林の中を縫うようにして歩いていったものでした。その名医の私の友人、リネア・スミス博士に見てもらいましたが、シラミは見つかりません。それでも用心のために、彼女は私に古めかしいシラミ退治法のクエル・シャンプー(米国のシラミ退治の処方薬)のボトルを手渡してくれたのでした。まじめにシャンプーをしたんです。そうです、きっとシラミに違いなかったのです、だってクエル・シャンプーで治療をしだしたら私のかゆみ地獄は止まったんですから。
 シラミは毎年数千万人のアメリカ人を悩ませているほど身近な症状なのです。それはもうクエル・シャンプーやシラミ取りの製品のメーカーをとっても喜ばしているのです。しかしほかに何か方法はないのでしょうか?挑戦してみましょう!
シラミ駆除のための「緑の薬局」
ハーブ関係の参考書の中にシラミの治療法が載っているのはほんのわずかしかありません、願わくばハーブ専門家がこの章に気づいてシラミ退治に有効なハーブ(シラミ駆除剤)を探し始めてほしいものです。ここでは少しですが、シラミを駆除できるハーブが数種ありました。
★ニーム(Neem/ Azadiracta indica インドセンダン)とターメリック(turmeric/Curcumalonga ウコン)
 インドで実施されたある研究で、814人のシラミ保持者に対して上記2種類のハーブの混合剤で治療したそうです。ニームの木はオークに似た大木でインド自生の樹木、今ではフロリダやカリフォルニア南部など世界の亜熱帯地方で栽培されています。
 植物の葉や種子オイルには多くの有害昆虫に対して有効な働きがある成分を含むことがわかって来ています。この理由は、アメリカ国内で有機無農薬農場で非毒性の殺虫剤の需要が高まってきて企業がニーム製品を開発してきたからでした。(ハワイ在住の私の友人は農産物の栽培にニームを用いています。)
 ターメリックにはアジアでは伝統的にノミや南京虫の駆除に使われてきた歴史があり、特に寄生ダニ(皮膚の内部に卵を産みつけます)による疥癬に特に効果があるようです。
 研究者がシラミにターメリックを試したところが重要です。またある研究で、生ニームの葉の微細粉とターメリックの根で作ったニーム・ターメリック軟膏(ニーム4に対してターメリック1の割合)を作りました。この研究に参加した人の身体に擦り込み乾いたらそのままにしておく。それを繰り返し、シラミを見ないか、いないことを実感できるまで続けさせました。一方で患者たちの衣服やベット用品を煮沸させましたがこれはシラミ駆除には普通必要なことです。発表された研究結果は対象者たちの98%が3から15日以内に完全に治癒していたと報告しています。残りの2%について研究者グループは:「シラミがたかったままの患者たちは研究プログラムをまったく守ろうとしなかった」とのことでした。
★ スイートフラッグ(Sweetflag/ Acorus calamus ショウブ)
 世界中の温暖な地域に生育するこの植物のアメリカ種には殺シラミ効果があることが証明されています。芳香のある根部は粉砕されて粉になったものを患部にシップにしても擦り込んでも効果が得られます。