野生のハーブを探しましょう

 野生のハーブ摘みはワイルドクラフティングと呼ばれています。野生のハーブを収穫して食べられればハイキングのたのしさもひとしおです。薬用植物と有毒の植物とは良く似たものが多いので間違って事故を起こさない注意が必要。初心者は十分経験の摘んだ人と一緒に探すことが何より必要です。経験の浅い判断は絶対しないこと。
室内でハーブを育てるということ

 ワイルドクラフティングのようにご自分の部屋で育てたハーブを収穫するのも楽しみのひとつ。薬効成分の多寡はともかく、収穫に伴う精神的満足感は何者にも代え難くあなたの健康に深く関係します。どんな種類のハーブでも良いのです、緑の栽培は最高の趣味のひとつです。広大な土地など無くても大丈夫、台所の窓辺に置いたハーブの一鉢があなたの畑になります。台所やベランダ、階段などで育てられる薬効ハーブはかなりの種類があります。いくつか上げてみましょう。
1 バジル(Basil メボウキ)
この防虫効果のあるハーブは口臭消しと頭痛にお勧めです。排水性が良く、保水力のある土質、肥料は控えめに。
2 チャイブ(Chives)
セイヨウネギ、ガン予防、高血圧の治療に利用。水はけの良い半日陰で良く育つ。
3 ディル(Dill イノンド、ヒメウイキョウ)
消化促進、緩下作用で有名です。日当たりの良いところ、水は普通にあげればよい。
4 フェンネル (Fennel ウイキョウ)
消化不良やおなかをこわしたときに良い。日当たり、水はけ、風通しの良いところを好む。
5 ヒソップ (Hyssop ヤナギハッカ)
聖書にも出てくるハーブ。抗ウイルス剤としてヘルペスの治療や最近エイズ治療の研究もされている。日当たりが良く、水やりは普通でよい。
6 ラベンダー(Lavender)
この愛すべきハーブは肌にしみこみ鎮静効果を発揮します。風呂に精油を数滴垂らすと至上のリラックス効果が得られます。日当たり、水はけの良い弱アルカリ性の土壌が適しています。
7 パースリー (Parsley パセリ)
パセリの葉緑素は気になる口臭を消し、亜鉛が豊富なので男性生殖器系の悩みに良いとのこと。レストランの料理に付いているパセリの90%以上が捨てられている現状、もったいないことです。
8 ペパーミント (Peppermint セイヨウハッカ)
清涼感、なごみ感、胃腸をなだめるメントール。普通の土壌で育ち、乾燥と高温によわい。
9 ローズマリー (Rosemary マンネンロウ)
抗酸化物質に富み、台所に無くてはならないハーブ。アルツハイマー病の予防効果がある。水はけが良くアルカリ土壌で日当たりの良い所で育てます。生育は遅いので挿し木や取り木の方が簡単です。
10 セージ(Sage ヤクヨウサルビア)
薬用効果はローズマリーとほぼ同様です。日当たり風通し、水はけの良い所が適します。
11 セイボリー(Savory キダチハッカ)
まめ料理の添え物によく使われ、腸内ガスを抑えます。日当たりの良い所で水やりは普通でよい。12 タイム (Thyme タチジャコソウ)
このハーブは最良の抗菌防腐剤に使われ、防腐効果、胃腸を整え、心臓発作の原因の凝血を抑える薬効をもつ。梅雨時の蒸れは枯死の原因になります。風通しと日照に気を使うこと。
屋外につくるハーブガーデン

 このレポートの著者のデューク氏の庭には200種類の薬用ハーブを栽培しています。春の成長の時期、庭を散歩し、全ての植物の生育を確かめる楽しみは何事にも代え難いものがあるとのこと。仕事に疲れ、一時間ほど庭を散歩しながらミントをひとつまみ収穫、冷え込む朝はホットミント茶に、暑い午後にはアイスミントにして飲むと仕事への意欲も再び沸こうというものです。
 皆さんのお庭にも是非ハーブガーデンを作って、心と体の健康を活性させることを心からお勧めします。お庭にスペースがあれば、お勧めしたい多年草をいくつか取り上げておきましょう。庭に良く茂り日本の温暖な気候であれば栽培はそんなに難しく無いはずです。
1 チャストベリー(chastberry)
この低木多年草は、抗生物質を持ち婦人病の治療に大いに使われます。
2 ゴールデンシール(Goldenseal ナルコユリ)
抗生物質を持つハーブで、日陰で良く育ちます。
3 レモンバーム(Lemon Balm セイヨウヤマハッカ)
メリッサの名前もある。この抗ウイルス性のミントは鎮静剤の物質を含有します。枯れたように見えても、再び必ず繁茂する力はすごい。
4 マウンテンミント(Mountain Mint)
害虫を撃退、この種のミントは最近人気になっています。
5 オレガノ(Oregano ハナハッカ)
抗酸化効果の高いミント。
6 セルフヒール(Self-Heal ウツボグサ)
万能薬として評判が高いが、この評判は誇張され過ぎているようだ。
7 スペアミント(Spearmint)
ペパーミントと同様胃腸を落ち着かせる。
8 セントジョンズワート(St.-John's-wort セイヨウオトギリソウ)
うつ状態の治療薬によく使われます。
9 タンジー (Tansy エゾヨモギギク)
偏頭痛を抑える薬効がある。フィーバーフュー(Feverfew ナツシロギク)と同じ効果がある。
10 バレリアン (Valerian カノコソウ)
不安を和らげる鎮静剤の効果があるが、このハーブ茶の香りは悪い(汗の靴下の臭い。)
11 ワイルドヤム (wildyam ヤセイヤマノイモ)
ハーブ療養士の多くが女性生殖器の健康のために勧めるハーブ。
12 ヤナギ (Willow)
 ヤナギの樹皮にはハーブ版のアスピリンを含有します。ヤナギの樹皮をかじっていると頭痛が和らぎます。
このコンテンツは、ジェームス・デューク氏の著書「緑の薬局」を、日本向けに翻訳しつつ補完したものです。