ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 小学校から高校まで夏のほとんどを水泳プールで過ごしたので太陽の日差しをたっぷり浴びてきました。大学では夏休み中そこここの浜辺でベースとギターを演奏しまくったものです。太陽を追っかけてカロライナ州のランドヘブンやミシガン、アトランティック・ビーチ、オーシャンドライブ、マートル・ビーチへと渡り歩いたのです。全く太陽にさらされ続けると皮膚ガンのリスクが極端に高くなるのですが、私はそんな風に過ごして現在に至ったのです。私の肌にはすでに除去したガンの跡もありますが、そのほかにもすぐに診療を必要とする肌の異変もあるのです。自分自身の体験で学んだようです。
 現在は熱帯地方へ行く客船に乗るときはいつも日焼け止めを使い長袖のシャツを着込み手袋とツバ広の帽子を着用する事にしています。太陽の光をすべて遮断するようなことは、わたしの教育方針に逆らいますが旅行する場所によっては欠くことのできないことなのです。とはいえ太陽光からしっかり防御したつもりでも、アマゾン川流域などでの滞在ではそれでも日焼けになってしまうのです。
日焼けのための「緑の薬局」

 熱傷の程度で見ると、ほとんどの日焼けは比較的軽度のものです。でも日焼けは他の日常的にあるやけどよりも身体表面の大きな面積を占めてしまいますよね。さらに加えてガンのリスクも増加するし、とても痛みが伴う物です。幸いにも、自然は私たちにとても有益な治療法を用意してくれました。
"★"の数は効果の高さの指標です。
★★★ティー(Tea (Camellia sinensis チャ)
 中国人は日焼けした肌を鎮静するのに冷やした黒チャ(プーアール茶などの発酵茶)を皮膚に塗る方法をよく勧めています。とても効果的な方法だと思うのは、その茶に含有する化学成分には有効な物が含まれているからです。
 私の知り合いのある研究者は「茶の中のタンニン酸やテオブロミンが日焼けの熱を取り去ってくれる効果がある」と言ってくれました。茶に含まれるその他の成分にカテキンと呼ばれるものが皮膚の損傷を防いだり修復してくれる助けになり、さらに化学物質や光線過剰暴露によする皮膚ガンを防いでくれる事も考えられるのです。最新の研究では緑茶にはポリフェノールと呼ばれる化学物質が多く含まれて居ることがわかりました。この物質を摂取すると日焼けが原因の紫外線照射で起こる皮膚のダメージを守ってくれる効果があるのです。
 でも、日焼けの後遺症を我慢するよりも日焼けをさける方が良いに決まっていますよね。しかし、日焼け止めが不十分で太陽に当たりすぎてしまったら、冷やした緑茶を湿布してやけどを和らげることができます。日焼けしすぎた肌にはどんな部位でもお茶による冷湿布をするのが良いでしょう。
★★アロエ(Aloe /Aloe vera 真性アロエ)
 アロエの葉の中のジェル状のどろどろした物は光線過剰暴露によるやけどを急速に治癒する効果があります。アロエの葉を切り裂いて直接ジェルをすくい取るかまたは健康食品店かハーブ店で売られている軟膏を用意しても良いでしょう。
 軽くシャワーを浴びたあとアロエのジェルを塗りひろげ、痛みが落ち着くまで一日数回繰り返すと良いでしょうと、外科医でスポーツ医療の専門家ロバート・ウィリックス博士は勧めています。さらに彼は、この方法で通常は一日か二日で赤みは消えて皮膚がむけることはありませんとのこと。
★★ ブラック・ナイトシェイド(Black nightshade/Solanum nigrum イヌホウズキ)
 インディアンの治療師の中の一部はこのナイトシェイドの葉をつぶしたものを濃厚なクリームに混ぜ込み、これを日焼けした肌に軽くたたき込みます。私もアマゾンで同様の治療を目撃したことがあります。私が知っているペルーのシャーマン(まじない師)は、アマゾン種のナイトシェイドを日焼けだけでなくすべてのやけどの治療に用いているそうです。彼らはやけど跡を残さないように、葉を刻み込んで緑色のジュースを絞り出し、なるたけ早くその汁を患部に塗りつけます。もしもあなたがこのブラック・ナイトシェイドが入手できるのであれば是非試してみることをお勧めします。ソラナム種(Solanum)の植物に含有するその他の成分には皮膚ガンを予防する大変有益な効果があることがわかっています。
★★カレンデュラ(Calendula /Calendula officinalis キンセンカ)
 研究ではカレンデュラの花には皮膚を覆い込み炎症を抑えながら新しい皮膚細胞の成長を促進してやけどの治癒を促す効果があります。カレンデュラの成分が入った市販のスキンクリームは多くの健康食品店に行けば入手できるでしょう。
★★キューカンバー(Cucumber /Cucumis sativus キュウリ)
 冷やしたキューカンバーには日焼けの炎症を和らげる時に使うとよいと、薬理学者のアルバート・レング博士の言、薄切りにした生のキューカンバーを肌に直接ぬぐうようにすれば良いのです。
★★ エッグプラント(Eggplant /Solanum melongena ナス)
 先に出たブラック・ナイトシェイドのいとこに当たる近縁種で、エッグプラントは日焼けの治療に民間治療で評判の植物です。実際に常夏のオーストラリアでは皮膚ガンの治療に使われるほどの成分を含有するのです。もちろん、太陽光から自分自身を守るために日焼け止めを使うにこしたことはありません。
 それでももしも日焼けになってしまったならばエッグプラントをすりつぶして皮膚に当てれば日焼けの炎症を和らげることを、知っていることが無駄なことであるはずがありません。
★★ プランテーン(Plantain/Plautago オオバコ、各種あり)
 アラバマの薬草研究家の故トミー・バス氏はこのプランテーンが日焼けや虫さされ、有毒ツタや毒オークの治療に使っていました。彼のやり方は理にかなっていたのです、というのはプランテーンにはアラントインという成分が含有し損傷した皮膚細胞の再生治療に役立つのです。
★★ ウィッチ・ヘイゼル(Witch hazel/Hamamelis virgiuiana アメリカマンサク)
 ある論文で、研究者が3種類の方法で日焼け炎症の治療効果を調査したときのこと:それらはウィッチ・ヘイゼル、ハイドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)1%含有物、カモマイル・クリームで効果を比べたのです。カモマイル・クリームに勝ったウィッチ・ヘイゼルがハイドロコルチゾンに負けてしまいました。それでもウィッチ・ヘイゼルはとても良く効果が得られたのです。
 アメリカではどこでもただで手にはいるような植物です。もちろん、成分を濃縮したビン入りの市販のものを求めて直接湿布してもよいでしょう。もしくはウィッチ・ヘイゼルスプーン一杯と同じくスプーン一杯のハチミツ、泡立てた卵の白身を混ぜたものを試してみても良いです。さもなければウィッチ・ヘイゼル、オリーブオイルとグリセリンをそれぞれテーブルスプーン各一杯を混ぜて患部へ湿布します。
★ ビタミンとミネラル
 私の資料では、ビタミンEは抗日焼け効果が強いものに、一番引き合いに出される栄養素なのです。これを聞いたら日焼け炎症を起こしたあなたは、ビタミンEを配合したクリームを試してみたくなるでしょう。さらにある研究では、L-セレノメチオニンは天然のアミノ酸で日焼けなどでの皮膚障害を軽減することが示されましたこの研究はニューヨークのカブリニ・メディカルセンターのカレン・バーク博士のものでした。
 セレノメチオニンは皮膚へ使っても経口摂取のどちらでも有効とのことです。バーク博士は夏の間、一日に100マイクログラムの摂取を、または家族・親類に皮膚ガンの履歴がある人は一日200マイクログラムの摂取を勧めています。ブラジルナッツは特にこの栄養分に富む食べ物です。