ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 私の小さい頃、よく扁桃炎に悩まされていましたが、かかりつけの医者が勧めるにもかかわらず母は決して扁桃腺を除去しようとはしませんでした。でも、弟にも同じ症状が出たときには医者の言うとおりにしたんです。弟、ダンの扁桃は摘出されました。それからというもの弟は周期的にアレルギーと感染症に悩まされるようになってしまいました。彼の遺伝子による原因でしょうか?私は違うと思います。扁桃摘出したことで何かが起こったのではないでしょうか?確かなことは言えませんが、私には扁桃腺が摘出されたことに原因があるとずーっと感じてきているんです。
 現代のお医者さんは扁桃が感染菌と闘って撃退する助けをしている免役臓器だということをちゃんと知っています。今医学的に定説とされているのは、過去に弟のように必要のない摘出手術がたくさん行われたということです。私の扁桃腺はいまだに炎症を起こします。
 扁桃はない方が良いのでしょうか?確かなことは言えませんが、母が摘出手術をしないでそのままそこにあることを感謝しようと思います。
 扁桃炎は扁桃部の炎症で、のどの脇にあるリンパ腺の小さな球状の固まりです。9歳以下の子どもが最もかかる場合が多いようです。普通、この部位はむき出しなので連鎖状球菌バクテリアやウィルスによる感染が起きやすいのです。もしあなたが扁桃炎ならば、医者の治療を受けるべきです。
 連鎖球菌の感染の治療には抗生物質を用いることが特に重要で、この種の感染症は心臓疾患やリウマチへ発展する事もあるのです。
訳者注:日本での扁桃炎の治療の現状
問い:扁桃腺は摘出したほうがいいか? (24歳の男性の例)日頃注意しているにもかかわらず年に4、5回は扁桃腺が腫れて熱を出します。扁桃腺を手術で取れば再発しにくくなると聞いたのですが、本当でしょうか。
回答:扁桃腺手術の対象となるのは、
 1習慣性扁桃炎:通常1年間に4回以上扁桃炎を繰り返す。
 2扁桃腺の肥大のため睡眠時無呼吸などの呼吸障害を起こす。
 3病巣性扁桃炎:扁桃腺が腎炎、手足の化膿性皮膚炎などの原因と考えられる場合などがあります。
 質問のケースは、1の習慣性扁桃炎にあたります。扁桃炎の頻度は原則として1年に4回以上とされていますが、炎症の程度が強く扁桃炎のたびに仕事を何日か休むなど、日常生活上の支障が大きい場合には1年に1、2度の場合でも扁桃腺の摘出(扁摘)が望まれます。扁桃腺の手術件数は昔に比べるとかなり減少していますが、その理由は扁摘の効果が低いということではなく、手術の適応が厳密になってきたためです。
 手術の適応が守られれば、その効果は高く、手術を受けられたほとんどの方が満足されています。手術は成人の場合、以前は局所麻酔下に行なうことが多かったのですが、現在では、全身麻酔の方が患者さんが楽なことや手術自体も出血のコントロールが確実で扁桃腺の取り残しを防げるなどの理由で、全身麻酔が多くなってきました。手術後、食事が十分に摂れるようになり、術後出血のないことを確認するためにも術後1週間程度の入院が一般的です。扁桃腺は重要な免疫臓器のため小児では手術の開始年令が問題になりますが、成人では免疫上問題が生じることはありません。
扁桃腺炎のための「緑の薬局」

 扁桃炎―― と、関連するリンパ腺(アデノイド)の炎症 ―― は身体自身が感染症から守ってくれる防御反応であることを示しています。ここに載せたハーブは身体が伝染病と闘い炎症を鎮める手助けになるものです。
"★"の数は効果の高さの指標です。
★★★エキナケア(Echinacea / Echinacea エキナセア、コーン・フラワー)
 ほとんど全ての感染症に有効な身体の免疫力を増強するハーブです。コーン・フラワーという名でも知られるエキナケアはヨーロッパの研究によると、素晴らしいものです。エキナケアは体内の食菌作用のある白血球を活気づけ、バクテリアやウィルス菌を激しく攻撃します。
 口やのどの頻繁な病原菌からの攻撃にたいして、エキナケアの魔力を倍増する方法としてゴールデン・シール(ナルコユリ)を併せて摂る方法は、別の効果として防腐消毒作用、天然抗生物質作用、免疫増強作用を見込めるのでお勧めしたい方法です。
★★ガーリック(Garlic/ Allium sativum ニンニク)
 ニンニクは扁桃炎を含むのどの感染症の治療にも有効なものです。泌尿器学の博士ジェームス・バッチ氏とその妻で栄養コンサルタントのフィリス氏はのどの障害と扁桃炎の両方の治療に、ガーリックのカプセルを一日2個を摂ることを勧めています。(また、ガーリックの種に大変近いオニオンをもっと食べることも奨励しています。)
 カプセルのガーリックは手軽に摂取する方法ですが、専門家はこの方法が最良とは言っていません。自然療法を研究するシアトルのバスティール大学(Bastyr University)のジェーン・ギルティナン氏はカプセルやエキスよりもガーリックの玉をそのまま使う方が好ましいと言っています。私もその通りだと思います。
 私が思いついた扁桃スープはいかがでしょうか、扁桃炎に良いですよ。まず、お好みのオニオン/ガーリックスープのレシピーを使いましょう。そのスープに各種ホット・スパイスも気前よく使いましょう、ビタミンCやのどの炎症止めの成分が豊富です。チリ・ペッパー、ジンジャー、ホースラディッシュ(ワサビダイコン)、マスタードの種子やからしなどをスープにたっぷり入れましょう。
★★ハニーサックル(Honeysuckle/ Lonicera japonica スイカズラ)
 中国ではこのハニーサックルを扁桃炎、気管支炎、風邪、流感、肺炎の治療に使っています。この花から作ったエキスには広範な種類のバクテリアに対して強く作用します。花には12種を越える防腐成分がふくまれるのです、ちょっとびっくりですね。
 ある研究で:研究医がのどに急性の炎症のある425人の中国人学生を診たときのこと。この症状は明らかに扁桃炎ではないけれど、それに関連したのどの感染症でした。この研究で、研究医達は生徒達ののどの奥にハニーサックルの花を粉末にしたものを含む調剤薬を使ったところ患部は急速に治癒されたとのこと。
 私はもはやハニーサックルを使うのにためらいません、この一種かまたはフォーシシア(レンギョウ)を混ぜて使うことが扁桃炎にはよいでしょう。実際、私は真冬にかかりやすい呼吸器系の感染症の予防と治療に両方の植物の葉を使っているのです。
★★セージ(Sage/Salvia officinalis ヤクヨウサルビア)
 ドイツでは、ハーブ的治療が米国よりも主流になっていて、内科医などは扁桃炎にはセージ茶によるのどのうがいを推奨しています。その理由としてセージには実に豊富なタンニンが含まれ、この物質には鎮静・収れん作用と抗微生物効果を持っていると言うことがあるようです。セージには殺菌作用も併せ持っています。
★★柑橘類とビタミンCの多い食べ物
 柑橘類の果実のビタミンCは扁桃炎を誘起する連鎖球菌バクテリアを退治する効果を持つ確かな証拠があるのです。ビタミンCはまた、マクロファージという連鎖球菌バクテリアを文字通り貪食していく清掃細胞をより多く生産する免疫システムを増強してくれるのです。
 柑橘類の他に、ビタミンCの良い補給源になる植物にはビター・メロン(ゴーヤ、ニガウリ)、ローズヒップ(バラの実)、ピーマン、アカトウガラシ、ポークウィードの芽(ヨウシュヤマゴボウ)、グァバ(バンジロウ)、ウォータークレス(クレソン)などが挙げられます。
★ブラックベリー(Blackberry/ Rubus セイヨウヤブイチゴ、各種あり)、およびパーシモン(persimmon/ Diospyros virginiana 柿)
 ブラックベリーの根茎とカキの一つでも両方でも、これらはアメリカでの扁桃炎の民間療法で使われてきました。両方ともタンニンに富むので、この方法には理にかなっています。
★ダンデリオン(Dandelion/ Taraxacum offrcinale セイヨウタンポポ)
 中国人は3カップのお湯に1オンス(30グラムほど)のダンデリオンの根を入れてお湯が半分になるまで沸かしてお茶を作ります。このお茶を扁桃炎の治療に使います。
★エルダーベリー(Elderberry/ Sambucus nigra セイヨウニワトコ)
 医学人類学者で「ハイネマンの果実・野菜とハーブの百科事典」の著者ジョン・ハイネマンはその著書の中で「世界の多くの国で扁桃炎の治療にエルダーベリーのジュースが使われてる。」と述べています。医学的研究の見地からも合理的で、このハーブには流感の治療と抗ウィルス作用があることがわかっています。
★ レッド・ルーツ(Redroot/Ceanothus americanus ニュージャージー・ティー、ソリチャ、カリフォルニアライラック)
 私の尊敬するアラバマに在住したハーバリストの故トミー・バス氏はこのニュージャージー・ティーとしても知られるレッド・ルーツを扁桃炎、のどの鎮静、咳や口腔カンジダ症やある種ののどの感染症の治療に勧めていました。有効な成分はタンニンのようです。レッド・ルーツにはタンニンが10%も含有しています。
★ある種類の果実
 世界中でブラック・ベリーの近縁種のラズベリーが扁桃の炎症に使われています。
 あるレシピーでは、煮たラズベリーのジュースに砂糖を加えたものを冷やして、口に含んでのどにからめてから飲みます。これは私のお楽しみの薬の一つです。治療を目的に砂糖シロップを使えるのはブラックべりー、ブルーベリー、パパイヤ、赤ぶどうやストロベリーがあります。実際にこの方法は扁桃レード(レモネードの例え)と言えるくらい良く効くものです。
 最初は上記の種類のジュース1カップを用意してそれに柑橘系の果実(たとえばレモン、ライムまたはオレンジ)のジュースを少し加えます。これにセージ茶を少しばかり入れて味付けに砂糖少々加えてできあがり。
★ハーブ的方法
 イギリスのハーバリスのデビット・ホフマン氏は「ハーブ・ハンドブック」の著者ですが扁桃炎の治療にお勧めのお茶は、エキナケアを2,ガーデン・セージ又はレッド・セージを2、ギレアドバルサム(balm of gilead)を1の割合で作ります。甘いのがお好みならばリコリス(カンゾウ)を加えてみてもよいです。