ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 ワキガを調べてみるとなかなかおもしろいことがわかります。
体臭の多くが汗腺から分泌された分泌物が原因で、しかもそのほとんどが腋の下から分泌されたもの。
生まれたときからこの特殊な内分泌腺があるのですが、思春期まではさほどの働きはなく最初は臭いもない乳白状の分泌物から始まります。
もし、6時間ごとに身体を洗い流さないと、皮膚に常在しているバクテリアが大繁殖を始めてコロニーを作り始めます。
しばらくすると、何かに気が付き始めるんですが…それは何でしょう? 男性はむしろ女性よりもたくさんの分泌物をだすので体臭も多いのですが、なぜか女性の方がデオドラント(ワキガ止め薬)に神経を使っているのは確かなようです。
ベジタリアンから言わせると肉食の人は体臭がひどいと言います。
おそらく入浴が一番の薬です。人とおつきあいする上でデオドラント(ワキガ止め薬)がないと心配な人でも適宜の入浴をすることで、市販のスプレーや塗り薬などは必要なくなります。
★★ コ ラ ム ★★
体臭(BO)の実用的な側面
 体臭というのは実に善悪の二面性があるものです。
人とのおつきあいや美容的にも、BOは嫌なものですねぇ。
BOを気にする余りに何回も風呂に入ったり、隠すために多額のお金を使ったりしてないでしょうか。
しかし、ある状況ではBOはフェロモンを含み、その微妙なフェロモンの芳香は異性を引きつける力を持つのです。
科学者には昔から、フェロモンが動物の交配の為に重要な役目を負っていることを知っていました。
しかしまったく最近になるまで、その効果がわれわれ人間には動物と同じ恋愛効果などがないものと考えられてきました。
 現在の研究では、フェロモンは人間の性的魅力に大変重要な役割を果たしていると考えられています。多分、人間のもつ"香り"は最初はお互いを仲間として認識して引きつける役目をしていたんではないか。この説が正しいように私には思いますが、皆さんはいかがでしょうか。
体臭予防のための「緑の処方箋」
ハーブはデオドラント(ワキガ止め薬)として古くから輝かしい歴史があります。不快な臭いのもとをつくるバクテリアに対してとても有効な抗菌作用を発揮するハーブが広く使われています。さっそくいくつか試してみましょう。
★★★コリアンダー(Coriander/Coriandrum sativumコエンドロ)、リコリス(licorice/Glycyrrhiza glabraカンゾウ)などのハーブ
 私が研究したデータベースにはコリアンダーとカンゾウの両方に抗菌作用を発揮する約20種類の化学成分が含まれることがわかります。
同じようにオレガノとローズマリーには19種類,ジンジャーは17、ナツメグは15,シナモンとクミン(ヒメウイキョウ)は11,ローレルには10、ブラック・ペッパーは14,ニンニクは13種類の抗菌物質が含まれます。
殺菌成分の種類数に対して成分量で各ハーブを見てみると、(ドライハーブの重量比を基準として)リコリスはなんと33%の殺菌成分量、タイムには21.3%、オレガノ8.8%、ローズマリー4.8%、コリアンダー2.2%、フェンネルには1.5%の殺菌成分が含有する事がわかります。
 これまで説明したハーブは体臭の原因になるバクテリアを死滅させる効果を持ちます。
デオドラントハーブの活用法の一つに粉末にして脇の下に擦り込む方法があります。
これも効果的なアプローチですが、衣類を汚すことになってしまいます。
別の方法としてお勧めしたいのがこの方法、あなたの選んだハーブ(一種類でも数種類でも)で濃い茶を作ってその中にガーゼなどの布地を浸します。これを少し絞ってから脇の下に数分間強く当てておきバクテリアの増殖を防ぐのです。
 タップリのセージをお茶にして、上記の方法で使っても発汗抑制剤として働くことが知られています。
上記のハーブをお風呂の入浴剤に使う手もあります。
ハーブを布袋に入れたものを湯船に浮かべ、香りを楽しみながら薬用効果を期待します。
他のアプローチとしてはエッセンシャルオイルを使う方法、植物オイルの中に数滴落として薄めます(植物オイルティースプーン1杯に対してエッセンシャルオイル1,2滴)。このミックスオイルを脇の下にローションとして擦り込みます。
エッセンスオイルの原液は少量でも直接肌に塗布したり摂取すると毒になる事を忘れずにいてください。
 医学人類学者ジョン・ハイネマン博士の著書"フルーツ、野菜、ハーブの辞典"によると、発汗抑制剤効果のあるセージのチンキ液は1/2カップのドライセージの粉末を1 1/4カップのウオッカに漬け込んで作ることが出来るそうです。これらの材料をビンなどに入れ、日に2回くらい良く混ぜながら2週間位ねかせたあと、セージを漉した液を清潔なビンに貯蔵します。
 必要に応じて一日に数回塗ります。アルコールは皮膚を乾燥させますが、もし皮膚に刺激感があるようだったら使用を中止します。(このセージチンキ液はリキュールとして飲んでも良いです。)
★ベーキングソーダとコーンスターチ
局部的に悪臭が発生する場所に上記の粉を混ぜ合わせて使います。
混ぜた粉は局部の湿気を取り、ベーキングソーダには冷蔵庫の臭い取りに使うこともあるようにワキガ止めの効果もあります。
確かにベーキングソーダはハーブではないですが、あえてナチュラル(自然派指向)にこだわってこの方法も皆さんに知って欲しい方法だと思います。
★ターニップ(Turnipカブ)のジュース。
 ハイネマン博士にまつわる逸話に興味をそそられるものがあります。博士の同僚で日本人博士が話したことなのですが、カブ(turnip)または大根(daikon radish)をすり下ろしたジュースが体臭のコントロールになるとのこと、さっそく博士はカブのジュースをつくり脇の下にスプーン1杯づつこすりつけたそうです。
彼の結論「カブのジュースは汗は止めないが、約半日(10時間)はワキガを止める効果が認められた」。それが本当ならば朗報ですが、私も是非試してみなくてはなりませんね。
★亜鉛を含有する野菜
 亜鉛が欠乏すると体臭を強くする可能性があります。
加工食品から亜鉛を摂取することは容易ではないです。原料が加工される間にほとんどのミネラル成分が除去されてしまうからです。でも、原料の食品には結構亜鉛が含有しているのです。
亜鉛が良くとれる食品としてはホウレンソウ、パセリ、コラード(ケールの一種)の葉、芽キャベツ、キュウリ、サヤエンドウ、キクヂシャ(チコリーの一種)、アスパラガス、プルーン。
先頭のホウレンソウが亜鉛の含有量が最も多く、以下の野菜の順で亜鉛を多く含有します。もし、腋臭止めのカクテルをご希望ならば、上記の野菜全部をジュースにすることをお勧めしましょう。
ただし私だったらプルーンは省いておきます。
★酢
ハイネマン博士は市販のデオドラントの代わりにリンゴ酢を勧めています。
この意見には私にはピンと来るものがあります、というのは酢が強力な殺菌剤だからです。
それにこの酢にセージのような発刊抑制効果のある芳香ハーブを漬け込んでもいいんじゃないでしょうか。