ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
冬のたびに、我が家の放熱板式暖房機が空気をとても乾燥させるのです。だから毎年冬の皮膚炎と呼んでいる皮膚の症状に悩まされるのです。数年に亘る研究でそれを改善するスキンローションを見つけました。
その成分は、水、グリセリンそしてアロエ・ベラという伝統的で大変効果のあるもので多くの肌のトラブル解消に伝統的に使われてきたのです。これが私の個人的な「緑の薬局」のサクセス・ストーリーでした。
ここでイギリスで出版されている医学雑誌「ランセット Lancet」の症例別レポートを是非紹介したいものです。
湿潤な亜熱帯気候の地方から非常に乾燥した砂漠地帯へ転勤した内科のお医者さんがいたと思ってください。
転勤後の彼の手はひどい乾燥肌の連続でした。医者の彼は、ひどい発疹の治療に教科書通りの薬物治療のステロイドを試してみました。
全く役に立ちません、我慢しながら生きていくしかしようがないと決心しました。
4年後、医学文献に掲載されていたある研究に、ビタミンEが男性の心臓発作のリスクをおよそ35%も下げる事実を知りました。
彼自身が、自分が危険な状態だと言うことを知っていたので、心臓病の予防のために毎日ビタミンEを400国際単位飲み始めたのです。それが彼の皮膚の助けにもなりました。
2週間以内に、今まで4年間の皮膚障害はきれいに吹き飛んでしまいました。
ビタミンEは広く皮膚のトラブルに良いとされてきて、多くのスキンクリームやコスメティックの原料成分になっています。でも、多くの内科医のように、このドクターはそんなサプリメントの言い分には懐疑的で、自分の皮膚炎の解消にビタミンEが効いているなどと言うことを確信しませんでした。
その後、冬の休暇の間このドクターはビタミンEを止めていたのですが、とたんに皮膚炎の症状が戻ってしまったのです。
帰宅して、サプリメントのない2週間のあと、再びビタミンEを取り始めた彼の皮膚障害は消え去っていました。このことはこの医者にその意味を理解させました。
皆さんこれからハーブの話題に行く前にもう一つお話しすることをお許しください。
アマゾンで私と一緒に働いていたビデオ映像家が、熱帯雨林に居る間に奇妙な、すごくかゆみのある湿疹に罹ったのです。私の知人のシャーマニズムによる信仰療法家の彼女は“ペルー・レッド・ハイビスカス”の花弁をつぶして湿布にするように命じました。
そして、その治療が功を奏したのです。不思議なことにそのビデオ映像家がノースカロライナの自宅に帰ると、皮膚湿疹が再発したのです、そしてあの療法家が教えた方法以外に治療法はありませんでした。
その方法が最も効果的なものだったので、彼女はペルーからハイビスカスを輸入し続けました。それでもピンチの時には、レッド・ジンジャーのお茶を患部に吹きかけていました。
この商品に使われているミックスハーブの赤色にはハイビスカスの花の色を使っていたのです。
(訳者注:私もここ数年来、冬になると指先のカサカサ肌に悩んでいて、さわるとガリガリとするようで、とてもつらい冬場を過ごしていました。
今年はこのデューク博士の処方箋の翻訳をしながらビタミンEとアロエエキスを併用した所、およそ2週間で指先の皮膚が再生され殆どつるつる状態に戻ってくれました。驚きと喜びです。ビタミンEは広範囲な皮膚内部の細胞組織の再生力を若返らせてくれることを実感しました。)
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皮膚トラブルのための「緑の処方箋」
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幸運にも上記の物語のように、肌のトラブルにはハーブ的なアプローチが非常に功を奏することが多いのです。あるときなどは、調剤薬が効かないときにでも薬効を示すものもあります。ここでは、とてもお役に立てるハーブを取り上げましょう。
★★★ アロエ(Aloe/Aloe vera アロエベラ)
 アロエは古代エジプト・ファラオの時代から皮膚トラブル全般に使われていました。でも、アロエはそれよりももっと古くからの民間療法としてあったようです。
1930年代以来、アロエの硬い皮の中のジェルが放射線やけどの治癒スピードを加速させる効果を発見してから、多くの研究があらゆる皮膚トラブルの治療にこのハーブが効果的なことを証明してきました。
皮膚をはがす手術を受けた患者の研究では、皮膚の表皮部分を剥がした医療処置でアロエは72時間も治癒スピードを早めているのです。
たとえあなたが園芸家でなくても、アロエは鉢植え植物のように手入れが簡単なんです。少しの水やりと殆ど手入れ無用のいい子なんです。
日常のやけどや切り傷、肌のトラブルには下部の葉をちょん切り、縦長に切り開いてゼラチン状の果肉を掻き出し患部に塗るだけで良いのです。
または、市販のお肌の手入れ用の商品にもこのハーブが含まれるのでこれらを使うのも良いでしょう。
★★★ イブニング・プリムローズ(Evening primrose/Oenothera biennis メマツヨイグサ、ツキミソウ)
このメマツヨイグサのオイルはガンマリノレン酸(GLA)と呼ばれる成分が豊富で、イギリスでは湿疹の治療などの薬効が認められています。
私が論評を頼まれたある研究では、この植物は植物オイルとして皮膚炎などいろいろの症状の治療に役に立つことを示唆していました。
私の所ではメマツヨイグサは雑草のように生えていますが、自然食ショップなどでEPO(イブニング・プ
リムローズ・オイル)のカプセルで入手することもできるし、このハーブを使いたいときにはこの方法が一番簡単でしょう。
このカプセルを口径的に使うときは、パッケージの説明書きをよく読んでください。
他のハーブでGLAが豊富なものにボラージ(ルリジサ)、カラント(フサスグリ)やホップが使えるでしょう。ツキミソウオイルと同様に他のオイルもカプセル状で入手可能です。
でも、使用するときは説明書を良く読んでください。
★★アボガド(Avocado/Persea americana)
 メキシコ料理のグアカモーレはアボガドがたっぷり取れますね。このオイルは実際皮膚炎や関節炎の症状の治療薬として特許を取っております。
オーブリー・ハンプトン氏の著書「ナチュラルオーガニックによるヘア・スキンケア法」にはアボガド・オイルが湿疹の悩みを楽にしてくれると、スペースを割いて掲載してあります。
これは驚くことではなく、アボガド・オイルには豊富なビタミンA.DとEとが皮膚の健康を守ってくれるのです。
かゆい所や赤く炎症を起こしている患部に直接塗り込むとよいでしょう。オイルをサラダドレッシングなどに使って摂取することもとても良いことです。
★★ カレンデュラ(Calendula/Calendula officinalis キンセンカ)
 この可憐な花が殆どすべての皮膚トラブルの民間治療に大変な評判を持つことに小さな驚きを感じています。
研究ではこのハーブには抗バクテリア作用、抗菌効果、抗炎症や抗ウィルス作用が高いことがわかっています。
カレンデュラにはまた白血球を元気にして有害な微生物をやっつけたりケガの治癒速度を高める効果もあるのです。私は市販のカレンデュラの軟膏を買い置きしておき必要に応じて使っていますよ。
皮膚のお手入れとしてこのハーブは大変良い方法なのです。
★★ カモマイル(Camomile/Matricaria recutita カミツレ)
 ちょっと待って!今作った濃いめのカモマイルのお茶を飲まないで、皮膚のトラブルがあるのならそのお茶を湿布に使ってください。
このおいしいハーブは、炎症性の皮膚の不調、特にイースト菌伝染症の治療のためにヨーロッパで認められています。カモマイルの成分(ビサボロール、カマアズレン、環状エーテル)には特に抗炎症作用、殺菌作用、抗カビ作用があるのです。
もし読者が花粉症でしたら、カモマイルノ商品の使用にはご注意ください。
カモマイルはブタクサ科の植物なので、ある人達にはアレルギー反応の引き金になるかもしれません。
初めて試してみるときには、身体の反応にご注意ください。問題なければ、お使いになって大丈夫でしょう。
もしも、肌の状態が更に悪化するようでしたら、使用を中断してください。
★★ キューカンバー(Cucumber/Cucumis sativus キュウリ)
 キューカンバーのようにクールですか?それは、ただの言葉のあやではありません。
薬物学者(生薬研究者)のアルバート・レオン博士は、キューカンバーには皮膚炎、やけどやしわの治療に昔からの民間治療としての歴史があると述べています。
もし、私に皮膚のトラブルがあれば、数種のキューカンバーの皮を剥き(更にアボガドを入れても良い)、ミキサーで混ぜ込んでピューレ状にしてから患部に直接塗布し15分から60分くらい置いて様子をみるでしょう。
★★ ゴーツ・コーラ(Gotu kola /Centella asiatica センテラ、ツボクサ)
 このインド原産のハーブは皮膚細胞の再生力や細胞組織の結合力を刺激するのです。
臨床実験では、ゴーツ・コーラには湿疹や傷、いろいろの皮膚の症状の治療に有効なことがわかりました。
最新の研究ではゴーツ・コーラに含有するある成分(アジアチコシド)は破壊的な皮膚障害やレプラ(ハンセン氏病などの皮膚感覚の麻痺症状)に対して、治療の歴史の中でも最も見込みのある治療薬ではないかと考えられています。
もしも、熱帯で皮膚病がひどくなったら、このハーブの葉をつぶして湿布を作り、患部に塗布すると良いでしょう。
ここアメリカでは、このハーブの葉は一般的に入手不可でしょう、でも市販のチンキ状のものを買い説明書を良く読んで使います。
★★ ワイルド・パンジー(Wild pansy/Viola tricolor スイート・バイオレット、ニオイスミレ)
 これはニキビ、湿疹、トビヒ、かゆみなどに伝統的に皮膚トラブルへのハーブ的な治療法として使われてきました。そして近代的な研究もこのハーブの皮膚トラブルへの治療の有効性を指示しております。
ドイツのコミッションE(ハーブの生薬効果を安全性と有効性の面から判定する専門家集団)は皮膚の治療にパンジー茶の利用を勧めています。
沸騰したお湯カップ1杯にドライハーブをティースプーン1杯を入れてお茶を作り、10分間浸けておきます。
★★ ウイッチ・ヘイゼル(Witch hazel/Hamamelis virginiana アメリカマンサク)
 ウイッチ・ヘイゼルには収れん作用のあるタンニンをたっぷり含んでおり、皮膚トラブルには有効な作用が得られます。
実験動物での研究によると、ウイッチ・ヘイゼルは皮膚下の血管の活性を上昇させるので、傷んだ皮膚への血液供給を増すことになります。
ある日焼けの研究で3種の材料を比較研究しました。
収れん生のあるウイッチ・ヘイゼルとレシチンの調合薬、カモマイル・クリームと1パーセント濃度のハイドロコルチゾン・クリーム(これは抗炎症剤の標準的な調合薬)。
ハイドロコルチゾンが最も効果がありましたが、ウイッチ・ヘイゼルとレシチンのコンビが1位に迫る第2位。
コミッションEはウイッチ・ヘイゼル水をダメージを受けた皮膚の真皮や他の部分の治療に使うことを勧めています。
★ キャロット(Carrot /Daucus carota ニンジン)
 キャロットはビタミンAと等価のカロチノイドの豊富な供給源で皮膚ダメージの修復と皮膚の健康を強化する効果があります。
症状のひどいニキビなどに使われる処方箋薬のレチン-A(Retin-A)は準カロチノイドなのです。
あるハーバリスト達は液状化したキャロット(またトマトとサツマイモを混ぜることもある)を日焼けや軽度の皮膚トラブルに利用するように勧めています。
私自身は見たことはありませんが、あなたが試してみたければ止める理由はありません。
私はキャロットなどの赤やオレンジのフルーツや野菜をたっぷりと常食していますが、これらのカロチノイドを摂取することは皮膚の健康に良いばかりでなくガン病棟から縁が無くなったり同様に心臓病の心配もしなくて済むと言うことを知っているからです。
★ イングリッシュ・プランテーン(English plantain/Plantago lanceolata リブワート、ヘラオオバコ)
 冷やして外用に使う、プランテーンの葉は昔から軽度の皮膚トラブルの治療薬として評価の高いものです。
近代的な研究でもこのハーブの2種の成分(アウクビンとカタポールaucubin andcatapol)には抗炎症作用と殺菌作用があることがわかっています。
★ アイビー(Ivy/Hedera helix セイヨウキヅタ)
 アイビーの葉から見つかったサポニンと言う名で知られる成分は、皮膚トラブルの原因のバクテリアや真菌類に対して作用するものです。
コミッションEはハーブの安全性を保証した気管支炎治療にアイビーが有効であることを認めています。
アイビーには皮膚炎の民間治療法にも使われるほどの評判をも併せて持っています。
私が皮膚病で悩んでいたら、アイビーの葉をミキサーなどで刻んでペースト状にしたものを患部に直接塗布しておくでしょう。
★ マーシュ・マロウ(Marsh mallow/Althaea officinalis ウスベニタイアオイ)
このハーブには粘漿剤(mucilage)と呼ばれる水溶性のねばねば繊維質を含有しており、皮膚トラブルの解消に使われてきた長い歴史があるのです。
ヨーロッパでは、マーシュ・マロウの粘液質はヒビやアカギレの治療の為の軟膏として使って来ました。
私に皮膚トラブルがあったら、新鮮なアイビーの根をジューサーにかけて、できた液体を皮膚患部に直接塗布して見たいと思います。
★ パイナップル(Pineapple/Ananas comosus)
 最近のスキンケアのきまり文句にアルファ・ヒドロキシ酸(AHAs)という成分があります。
AHAsは死んだ皮膚細胞を残そうとする働きの物質を溶かして、死んだ皮膚細胞を素早く剥がし取ってくれるのです
皮膚科専門医はAHA含有の薬剤をニキビ、アカギレ肌、しわやいろいろの皮膚の状態の治療に使っています。AHAの高濃度のものは顔皮の剥離に、低濃度のものは薬局の売薬として十数種もの商品がスキンクリーナー、ローションや顔料として見ることができます。
AHAがしばしばハーブの産物でフルーツ酸と呼ばれていることは殆どの人が知らないことです。名前が示唆するように、AHAは多くのフルーツ、とりわけパイナップル、タマリンド、ガーディナ(クチナシ)、リンゴやグレープに含有しています。
サワーミルクにも含まれているんですよ。
伝える話によるとクレオパトラもサワーミルクの風呂に入ったとか、お肌のつやを取り戻すことができたそうです。私などにはサワーミルクの風呂にはいるなんて想像できませんが、パイナップルやそれらを食べることはとても好きで、そんなことで傷んだ皮膚の組織をこすり落とすことができたら良いですよね。
★ パースレイン(Purslane/Portulaca oleracea スベリヒユ)
 キャロットの様に、パースレインはカロチノイドの豊富なものです。私はフェースマスクするような人間ではありませんが、もしも試してみるときはこのお助けハーブのパースレインとキャロットと若干のパイナップルをミキサーで混ぜてみるかもしれませんね。
この方法はヒーリング効果をもつ爽快なフェースマスクを作り出すでしょう。このフェースマスクは20分程度着けたままにしておくと良いでしょう。
★ ウォールナット(Walnut/Juglans クルミ、各種あり)
 コミッションEはウォールナットの葉をマイルドな皮膚表面の炎症の治療に効果があると認めています。
沸騰したお湯カップ1杯に砕いた葉をティースプーン2杯を浸けてお茶にしたものを冷やして患部に塗布します。
また一部のハーバリスト達はウォールナットの葉を、手のひら一杯お風呂に入れて湿疹の治療に使うことが良いと勧めています。