ご注意
まずこれをお読みの皆様にお願いですが、現在医療機関で治療を受けられている方は、必ずかかりつけの医者に相談の上お試しください。また、自己診断は禁物です。まず医療機関の診断を受けた上でご自分の体調を正しく把握してください。
 帯状疱疹とはあなたが昔、経験したかもしれない水痘(水ぼうそう)が原因の病気です。子供の頃の病気としては一般的だったように、帯状疱疹の原因はヘルペスウィルスなのです。水ぼうそうが完治した後でもウィルスは体内に残留して神経細胞の中で休眠しています。体内に残留するとはミステリーですが、それが数十年後に帯状疱疹として再活性することがあるのです。
 症状は痛みをともなう発疹で普通、胴体や顔面に表れます。数日の後、水ぼうそうに酷似した水疱が見られ、そして結局2,3週間後にはかさぶたに覆われて快癒するのです。これまでの所は、幼年時代の罹病が原因のことが多いようです。しかしながら帯状疱疹にかかった患者の約半数については痛みが数ヶ月、時には数年間も持続するのです。これは帯状疱疹後神経痛と呼ばれています。しばしば、その苦痛はきわめて厳しいものになります。
 帯状疱疹は特に60歳を超えた人々や、ガンの化学療法を加療中の体内の免疫力が衰えた方に多く見られます。もしも読者のあなたが帯状疱疹にかかったら、治療は即刻専門医の治療を受けるべきです。
帯状疱疹のための「緑の薬局」

 自然は我々にウィルス性の病気の治療に役立つハーブを用意してくれました。もしも、私が帯状疱疹にかかったらこのハーブの方法も併せて試してみるつもりです。
"★"の数は効果の高さの指標です。
★★★ レモンバーム(Lemon balm /Melissa officinalis セイヨウヤマハッカ、メリッサ)
 ハーブ専門家はこの帯状疱疹の対策にミント系の多くの種類のハーブを推薦することでしょう、特にレモンバーム(メリッサとも言う)は筆頭です。これには訳があるのです。レモンバームはヘルペス系のウィルスにある影響を与えることが医学的に証明されているのです。バロ・タイラー博士はインディアナ州ウエストラファイエットにあるプルド大学の生薬学(天然物薬学)の教授で学部長ですが「ウィルス性の感染症の治療にはレモンバームをお勧めする」と述べています。疱疹口辺発疹は、帯状疱疹を引き起こすウイルスと大変よく似てふるまうウイルスによって引き起こされます;実際両方のウィルスは同じ部類の仲間なのです。
 良く計画された研究でヘルペス性発疹患者116名に対して、レモンバーム・クリームを施した患者群は無活性のクリーム(偽薬)の群よりも確実に治癒効果が高かったと報告されています。あるヨーロッパでの抗ヘルペス商品にはクリームベースの軟膏1グラム中700ミリグラムものレモンバームの葉のエキスを含有しています。この薬はヘルペス湿疹を数日間の治癒期間に短縮したことを示しました。
 前述のタイラー博士によると「同様の効果を得るためには沸騰水1カップ当たりレモンバームの葉の乾燥したものでティースプーン2杯のお茶を作り、そのお茶を直接綿布に浸して患部に当て、これを一日数回続けてほしい」とのこと。
 帯状疱疹には、私のお薦めとしてレモンバームを主体として数種のミントを混合したミックス・ミントティーを作りましょう。加えるハーブにはヒソップ、オレガノ、ペパーミント、ローズマリー、セージ、セルフヒール、スペアミントかタイムなどがよいでしょう。さらにその中にリコリスを少々入れましょう。こんな飲み物にもかなり多量な抗ウィルス、抗ヘルペス成分を含有しているんですよ。患部に直接塗布するのと同様にお茶にして飲むこともお勧めします。
★★★ レッドペッパー(Red pepper/Capsicum トウガラシ)
 レッドペッパーの火のような成分、カプサイシンは帯状疱疹後神経痛を攻撃する熱い味方です。それにカプサイシンは皮膚の痛みを感じる神経からの信号をブロックする効果があり、痛みを軽減してくれるのです。
 カプサイシンを含んだ軟膏の研究では大変良い結果が出たため、数年前のことですが米国FDA(食品医薬品局)はこの成分を含んだゾストリック(Zostrix)やカプザシンーP(Capzasin-P)のような市販の軟膏剤を公認しました。お使いになりたければ薬局で求められるのです。(訳者注:日本ではトウガラシエキス配合温感パップ剤と他の療法と併用することで良い結果を得ています)
 でも、もしも低価格で使いたいのならばレッドペッペーの粉末をスキンローションにピンク色になるまで混ぜ入れたものを患部に軽く塗っても良いです。手に付着したレッドペッパーは作業の後徹底的に洗い流すこと、目やその他の敏感なところに付くと大変です。お使いになるときは最初に皮膚のごく小さい範囲でテストすること、もしも炎症や赤変が見られたら使用を止めてください。
★★ バイカルスカルキャップ(Baikal skullcap/Scutellaria baicalensis バージニアスカルキャップ、フワンチン)
 この植物の根の部分を粉末にして水に混ぜたものを中国では帯状疱疹の民間療法に使っていました。この植物は抗ウィルス作用で知られているので、入手可能ならば使ってみる価値はあると思います。
★★ チャイニーズアンゼリカ(Chinese angelica/Angelica sinensis トウキ)
 ダンクァイの名で知られるこのハーブはアジアの地域で、生理障害やそのほかの女性の健康に関することでは最も良いハーブだと信じられています。さらに、中国人は根部の粉末状にしたものを帯状疱疹の治療に使って良く効果を得ているのです。お茶にしたりチンキにして使うと良いでしょう。(でも妊娠している女性は使ってはいけません)
★★ リコリス(Licorice/Glycyrrhiza glabra カンゾウ)
 自然療法の先駆者ジョセフ・ピゾーノ博士はバスチーユ大学の学長であり「生薬の百科事典」の共著者ですが、痛みや炎症を伴う帯状疱疹の患者さん達の痛みのある患部にリコリスの軟膏を塗布することで3日以内に軽快させたとの報告を出しています。
 リコリスには数種の抗ウィルス作用と免疫増強効果のある成分を含有し、リコリスを使うことはとても理にかなっているようです。私が帯状疱疹だったならば、このハーブの薄目のお茶を飲みながら濃く出したお茶を患部に直接塗布して使うでしょう。
★★ パッションフラワー(Passionflower /Passiflora incarnata チャボトケイソウ)
 パッションフラワーにはマイルドなトランキライザー(精神安定剤)の効果があり、帯状疱疹の痛みによる心の動揺や混乱を鎮めるために使うことはあながち悪い考えでは無いと思います。それに帯状疱疹後神経痛に対する抑制効果もあるとの評判も聞きます。レモンバームとリコリスの茶にこのハーブを加えて飲むのも良いですね。
★ベルガモット(Bergamot/Citrus bergamotia タイマツバナ )および柑橘系の精油
 あなたにアロマテラピーの経験があれば、帯状疱疹の対策に数滴のエッセンシャルオイルを使うことも良いでしょう。使えるオイルにはベルガモット、カモマイル、ユーカリ、ゼラニウム、ラベンダー、レモンとティーツリーが挙げられます。
 エッセンシャルオイルの原液には皮膚を刺激するものがあるので、お使いになるときは植物オイル(ホホバオイルやオリーブオイル、メマツヨイグサ油)テーブルスプーン1杯に数滴落として薄め、よく混ぜたものを患部に直接塗布すると良いでしょう。(エッセンシャルオイルは絶対に飲まないこと、ほんの少量でも毒性を示すものもあります。)
★ ペア(Pear/Pyrus セイヨウナシ、各種あり)
 セイヨウナシのジュースは抗ウィルス作用があるカフェイン酸が豊富です。帯状疱疹になってしまったらこの果物をジュースや生でドンドン飲んだり食べたりしましょう。
★ パースレーン(Purslane/Portulaca oleracea スベリヒユ)
 中国ではこのハーブはヘルペスの民間治療で評判をとっています。野菜としてもおいしく、ほうれん草のように湯がいた時にすごいんです。お試しの価値はありますよ。
★ソイビーン(Soybean/Glyciue max ダイズ)とウォータークレス(watercress/Nasturtiumofficinale クレソン)
 「食品はあなたにとって最適な薬」の著者ジーン・ケーパーの研究で、アミノ酸のリジン500ミリグラム入りの錠剤2個づつを一日3,4回摂ることで帯状疱疹の症状の軽快に効果があると述べています。これが本当ならば。
 私だったら単にウォータークレスやソイビーンをもっとたくさん食べることをお勧めします。私の資料によると、それらの食品はリジンを最も豊富に含有しているのです。乾燥状態の重量比で2.7%もの含有量です。リジンを含むその他の食品としては含有率が高い順にクロマメモヤシ、イナゴマメ、レンズマメのモヤシ、レンズマメ、ホウレンソウ、ハッショウマメ、エンドウマメ、カボチャの種、アスパラガス、インゲンマメ、白菜、ソラマメ、フェヌグリーク(コロハ)、パセリが挙げられます。
 リジンスープを料理しましょう。リジンが豊富な豆類数種とアスパラガス、香味付けにフェヌグリーク、パセリとウォータクレスをたっぷり使います。